AIによるデータクリーニング
ONLYOFFICEスプレッドシートエディタでは、AIアシスタントを使用して、分析のためにデータをクリーニングして準備できます。AIの機能と組み込みのデータクリーニング機能を組み合わせることで、重複するエントリの削除、一貫性のない書式の標準化、欠損値の補完を行い、データを正確で使用可能な状態にできます。
デフォルトでは、セキュリティ上の理由からAIはエディタに接続されていません。データクリーニングにAIを使用するには、まずAIプラグインをインストールして設定する必要があります。詳細な手順については、AIアシスタント:セットアップと設定ガイドを参照してください。
スプレッドシートエディタには、連携して機能する2つのアプローチがあります。
- AI支援によるクリーニング — 自然言語のプロンプトを使用して、問題の特定、推奨事項の取得、クリーニング用の数式の生成を行います。
- 組み込みのクリーニング機能 — 正確な修正には、重複データを削除ツール、テキスト関数、検索と置換を使用します。
AIプロンプトを開く
スプレッドシートエディタでAIプロンプトを開くには、Ctrl+/(macOSでは⌘+/)を押します。この記事で説明するワークフローでAIにプロンプトを送信する必要があるときは、このショートカットを使用してください。
重複の削除
スプレッドシートエディタには、データタブに組み込みの重複データを削除ツールがあり、選択した列に基づいて重複する行を削除できます。この機能の詳しい使い方については、重複データの削除の記事を参照してください。
条件付き書式の重複/一意ルールを使用して、削除前に確認するために重複を強調表示することもできます。
AIを使用した重複の特定と処理
AIは、完全には一致しない重複の可能性があるものを特定し、その処理方法を検討するのに役立ちます。
- チェックしたいデータ範囲を選択します。
- AIプロンプトを開きます。
- 重複についてAIに助けを求めます。
- 「このデータで重複レコードを特定するには、どの列をチェックすべきですか?」
- 「同じレコードかもしれないほぼ重複したエントリや類似したエントリはありますか?」
- 「重複エントリはどう処理すべきですか — 最初を残す、最後を残す、それとも統合しますか?」
書式の標準化
標準化のためのテキスト関数
スプレッドシートエディタには、データを標準化するためのテキスト関数がいくつか用意されています。
| 関数 | 目的 | 例 |
|---|---|---|
| TRIM(text) | 先頭、末尾、および余分なスペースを削除します | =TRIM(" John Smith ") → "John Smith" |
| UPPER(text) | テキストを大文字に変換します | =UPPER("london") → "LONDON" |
| LOWER(text) | テキストを小文字に変換します | =LOWER("LONDON") → "london" |
| PROPER(text) | 各単語の先頭文字を大文字にします | =PROPER("john smith") → "John Smith" |
| CLEAN(text) | 印刷できない文字を削除します | =CLEAN(A1) |
| SUBSTITUTE(text, old, new) | 特定のテキストを置き換えます | =SUBSTITUTE("U.S.","U.S.","USA") → "USA" |
| TEXT(value, format) | 数値や日付を一貫して書式設定します | =TEXT(A1,"YYYY-MM-DD") |
AIを使用した標準化用の数式の生成
具体的な標準化のニーズに合わせて、AIに数式を作成してもらいます。
プロンプトの例:「A列の電話番号を(XXX) XXX-XXXXの形式に標準化する数式を作成してください。」
応答の例:「電話番号を標準化するには、次の数式を使用します:=TEXT(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1,"-",""),"(",""),")",""),"(###) ###-####")。これにより既存の書式が削除され、標準の形式が適用されます。国番号が付いている、または桁数がさまざまな電話番号の場合は、ネストしたIF文や補助列を使用した、より複雑な方法が必要になることがあります。」
検索と置換による一括標準化
スプレッドシートエディタには、データ内の単純なテキスト置換のための組み込みの検索と置換(Ctrl+H)機能があります。
AI支援による標準化のワークフロー
複雑な標準化タスクでは、次のワークフローに従います。
- 問題を特定する:AIプロンプトを開き、データのサンプルを分析して書式の不一致を一覧表示するようAIに依頼します。
- 推奨事項を得る:数式、検索と置換、手動での修正のうち、どの方法が最適かをAIに尋ねます。
- 数式を生成する:数式を使用する場合は、データに合わせた具体的な数式を作成するようAIに依頼します。
- 新しい列に適用する:数式を使用して、標準化された値を持つ新しい列を作成します。
- 結果を確認する:元のデータを置き換える前に、標準化されたデータを確認します。
- 元のデータを置き換える:標準化された列をコピーし、特殊貼付け → 値を使用して元のデータを置き換えます。
欠損値の補完
欠損値の特定
AIを使用して、スプレッドシート内の欠損データを特定し、評価します。
- データ範囲を選択します。
- AIプロンプトを開きます。
- 欠損値を分析するようAIに依頼します。
- 「どの列に欠損値があり、いくつありますか?」
- 「各列でデータの何パーセントが欠けていますか?」
- 「欠損データにパターンはありますか?」
条件付き書式による空白の強調表示
欠損値を視覚的に特定するには、次の手順を実行します。
- データ範囲を選択します。
- ホームタブ → 条件付き書式 → 空白/エラーに移動します。
- 空白を選択して、空のセルを強調表示します。
- 書式スタイル(例:赤の塗りつぶし)を選択し、OKをクリックします。
AIを使用した補完方法の推奨
具体的なデータに基づく推奨事項をAIに尋ねます。
- 傾向分析の場合:データが時系列であれば、線形補間を使用します。各欠損の前後の値を平均する数式を作成します。
- 要約統計の場合:中央値で補完します(外れ値に対して平均値より頑健です):
=IF(ISBLANK(C1), MEDIAN($C$1:$C$200), C1) - セグメント別の分析の場合:カテゴリ(地域など)がある場合は、
AVERAGEIFを使用して、そのカテゴリの平均値で補完します。 - 保守的な見積もりの場合:過大評価を避けたいときは、範囲内の最小値で補完します。
- 分析から除外する:重要な計算では、欠損値を補完する代わりに、欠損値のある行をフィルターで除外することもできます。
制限事項と注意点
データクリーニングにAIを使用する際は、次の点に留意してください。
- AIは案内を提供するもので、自動化ではありません:AIは問題の特定と解決策の推奨を支援しますが、クリーニングの手順はスプレッドシートエディタの組み込み機能を使って自分で適用します。
- 文脈が重要です:AIの推奨事項は一般的なパターンに基づいています。お客様固有の業務ルールによっては、別の方法が必要な場合があります。
- 置き換える前に確認します:特に大規模なデータセットでは、元のデータを上書きする前に、クリーニング済みのデータを必ず確認してください。
- 判断が必要なクリーニングもあります:ほぼ重複したエントリが本当に同じレコードかどうかの判断には、多くの場合、データに関する人の知識が必要です。
データクリーニング操作によって、データが完全に変更される可能性があります。必ず元のスプレッドシートのコピーで作業してください。ONLYOFFICEは、クリーニング操作によるデータの損失について一切の責任を負いません。変更を元に戻す必要がある場合は、すぐに元に戻す機能(Ctrl+Z)を使用してください。